抄録
二酸化バナジウム(VO2)は約68℃で金属-半導体相転移するため、スマートウィンドウに応用できる。本研究では二種類のゾルゲル法(アルコール系、水溶液系)によるVO2ナノ粒子を合成した。VO2にタングステン(W)をドープすることで、転移温度(Tc)を約-23℃/at.%下げることが出来る。アルコール系で合成した1.8at.%WドープVO2-SiO2ハイブリッドナノ粒子の場合、Tcは約60℃であった。これは、Wアルコキシドが水中でイオン化しため、Wがバッチ組成通りドープ出来なかったと考えられる。一方、水溶液系で合成した2at.%WドープVO2粒子の粒径は約50-100nm、Tcは約30℃であった。