抄録
半導体の超高集積化に伴い、排熱が大きな問題となっている。AlN(窒化アルミニウム)は高熱伝導率絶縁体材料であり、排熱用基板材料として期待が高い。現在、多結晶体基板は主に焼結法で作製されているが、2000℃近い高温プロセスのため、環境負荷が大きい。それに対して我々は1000℃程度の低温で作製が可能な溶液成長法の研究を行ってきた。本手法ではAl融液に窒素を溶解しAlN多結晶体を作製する。今回我々は、Alの窒化を促進するために、Mgを外部から気相供給する新手法でAlNの作製を試みた。Mg蒸気は窒素と反応して窒化マグネシウムを生成し、さらにAl融液と反応してAlNを生成する。AlN単体を作製するためには、Mg蒸気をAl融液直上で窒素と反応させることが重要であった。