抄録
デラフォサイト型酸化物CuFeO2のFe3+サイトにGa3+を置換したCuFe1-xGaxO2(0≦x≦1)の合成を行い,OSCと構造安定性の評価を行った。Ga3+置換量の増加に伴い,OSC発現温度は高温側にシフトした。一方,OSCの値はx = 0.1,0.3の場合に400℃以上で増加した。H2-TPRおよびTG測定の結果より, Ga3+置換によりCuFeO2中のCuイオンの酸化還元温度を低下し,OSC特性が向上したと考えられた。x = 0.1-0.3組成ではOSC測定後にわずかにCuのピークが見られたが,デラフォサイト相の分解は抑制されており、CuFeO2中のFe3+をGa3+で置換することでOSC特性および酸化還元雰囲気下での構造安定性が制御できることが明らかとなった。