抄録
ゴミ焼却炉から生じるダイオキシン類や重金属の除去には,活性炭とキレート剤が使用されているが高価であるため,廉価な材料が切望されている。モンモリロナイト系酸性白土は,酸性土壌環境下での同形置換から,構造中にルイス酸点を有する粘土である。酸性白土は,モンモリロナイトが有する陽イオン交換性をもち,さらにルイス酸点をもつことよりダイオキシン類のπ電子の吸着も期待される。一方,モンモリロナイトは重金属イオン吸着には優れているがルイス酸点がない。そこで,活性炭とキレート剤の代替材料として有望な酸性白土のイオン交換性能を向上させることを目指し,層間にNa+を挿入した酸性白土を作製,その重金属除去特性を検討した。