抄録
二段階焼成法は低温で高密度の焼結体の作製が可能なプロセスであることから,微細な粒径の焼結体の作製に応用が期待される.本研究では,BaTiO3セラミックスの収縮挙動から,二段階焼成時の焼結メカニズムを明らかにすることを目的とした.焼成中に収縮率を測定するための装置を作製し,様々な昇温速度で焼成したときに得られる収縮曲線を解析し,昇温速度や温度が収縮や粒径にどう影響するかを検討した.その結果,二段階焼成法の1st stepでは初期粒径が決定されるとともに粒再配列によって密度が向上し,一方,2nd stepでは粒界拡散がさらなる密度の向上を引き起こすことが分かった.