抄録
下水道施設では微生物が生成する硫酸により,普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの劣化が問題となっており,補修材料も含めて優れた耐硫酸性材料が切望されている。アルミナセメントは耐硫酸性材料として期待されており,補修材として使用するためには,ポリマーエマルションを混和した,ポリマーセメントとして利用される可能性が高い。既に,著者らはポルトランドセメント系ポリマーセメントの複合化機構としては,ポリマーフィルム形成と粒子分散性が重要であることを報告している1)。本研究では,アルミナセメントを用いたポリマーセメントの複合化機構と,耐硫酸性について検討を加えた。