抄録
アルミネート相の水和物であるAFm相は、さまざまな陰イオンをイオン交換反応により層間に取り込むことが知られている。このアルミネート相は、混和材として用いられている石灰石微粉末中の炭酸イオンを取り込んだAFm相であるカルシウムアルミネートモノカーボネート水和物(以下Mc)を生成する。本研究は、Mcのイオン交換反応の検討として、McにCaCrO4を添加して、クロム酸イオンの固定状態を検討することとした。実験で用いたMcは、固相合成したCa3Al2O6と炭酸カルシウムから水和合成した。なお、水和後にXRDによりcalciteが完全に消失していた。そこで、Mc 1molに対して、クロム酸カルシウム(CaCrO4・nH2O,n=0.3)を0-2.00 molの範囲の割合で混合した。この固体混合物の1 gに対して20 mLの蒸留水を加えて、42日間撹拌した。所定期間終了後、固液分離した。XRDパターンより、McはCaCrO4添加量の増加に伴い減少し、一方calciteが生成した。なお、添加量が0.25-1.00の範囲で2θ=10.5および21.1°付近に特異的なピークが現れたが、クロムおよび炭酸イオンを含むAFm相であると思われる。