抄録
当研究室では、層状複水酸化物を前駆体として用いた液相法による酸化亜鉛マイクロチューブの新規合成法の開発、検討を行っている。酸化亜鉛マイクロチューブのような中空構造を持つ粒子は、高比表面積、低密度、物質内包性などの特性を持つため断熱材、軽量材、複合材などの幅広い分野での応用が期待されている。本合成手法では、前駆体である層状複水酸化物[Znx(OH)10-yCly-H2O]が液相中での溶解再析出を起こす事で、ロッド状及びチューブ状の酸化亜鉛粒子を合成する事に成功している。。しかし、現状ではその形成メカニズムや合成条件の詳細についてはまだ不明な点が多く存在している。本発表では、反応により生成した前駆体の結晶構造及び組成、加熱時の結晶構造安定性と、液相中における加熱時の粒子形状及び結晶構造の経時変化について報告する。