抄録
現在、応力センサとして、チタン酸ジルコニア鉛(PZT)が使われているが、社会から鉛フリーで高性能、かつ軽量化されたセンサが求められている。そのため、重量(密度)あたりのセンサ性能(圧電g33定数)を向上させる必要がある。そこで、強誘電体の中で最も密度(ρ)が小さく、キュリー温度(Tc)が430℃と高いニオブ酸カリウム(KNbO3, KN)に着目をした。また、これまでカーボンブラック(CB)、チタン酸バリウム(BaTiO3,BT)を用いたKNの多孔質化の研究が報告されているが、大気中の焼結では気孔率が30%までしか制御されておらず、さらなる改良が必要であった。そこで、本研究ではスパークプラズマ焼結法(SPS法)を用いて、気孔率の上昇およびg33のさらなる向上を目的とし、KN多孔体セラミックスの作製について検討を行った。