抄録
ジルコニアセラミックスは、Y2O3並びにCeO2などの希土類酸化物を添加助剤とすることで準安定相である正方晶を安定化させることで高い機械的特性を得ることがよく知られている。しかしながら、希土類元素の添加はコスト、低温劣化という視点から考えると好ましくない。そこで本研究ではCaO/MgOを添加助剤として、化学的な手法であるゾルゲル法を用いて添加を行った。ゾルゲル法による添加は複合アルコキシドの加水分解・重縮合反応であることからオングストロームオーダーでの均一混合が可能である。そのため、従来使用されるボールミルによる混合よりも均一な添加が可能であり、諸特性の向上が期待できる。それによって、希土類元素をもちいずに生体材料として必要な諸特性を持ったジルコニアセラミックスの作製を試みた。