抄録
現在用いられている不揮発性メモリ、圧電デバイスの多くは鉛系材料が用いられているが、鉛は人体、環境に有害であることから非鉛系材料の開発が望まれている。(Bi, Na)TiO3 (BNT)をベースとするBi系ペロブスカイト型強誘電体は、大きな自発分極(Ps)を持つことからPZTに替わる非鉛材料として期待されている。菱面体晶R3cのBNTと正方晶P4mmのBaTiO3 (BT)の固溶体(1–x)BNT–xBTのセラミックスにおいて、x = 0.06付近の組成で比較的良好な圧電特性が報告されている。本研究では、R3cとP4mmの組成を持つ二種類のBNT–BT結晶を、高圧酸素下溶液引き上げ法(TSSG法)により育成し、物性を評価した。