日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2012年年会講演予稿集
セッションID: 1P030
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LiF添加によるMgOの低温焼成とマイクロ波誘電特性
*菅 章紀小川 宏隆
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抄録
利用周波数の高周波数化により、共振周波数の温度係数(TCf)が0ppm/℃近傍で低い比誘電率(εr)と高い品質係数(Qf)を持つ誘電体材料が求められている。さらに、通信機器の高機能化・小型化に伴い、デバイスの積層化も必要とされる。従って、電極材料の融点より低温で焼成可能で上述のマイクロ波誘電特性を持つ材料が求められる。高Q材料の一つであるMgOにおいて、LiF添加がMgOの焼結の促進に有効であることが報告されているが1)、そのマイクロ波誘電特性は明らかになっていない。そこで本研究では、(1-x)MgO-xLiF(x=0.02~0.08)の合成を行い、そのマイクロ波誘電特性を評価した。さらに、 、(1-x)MgO-xLiFの(TCf)のゼロ温度係数化も検討した。LiFの添加により950℃にてMgOが焼結され、Qf値は75000~225000GHzに及んだ。さらにアニールにより、Qf値は大幅に改善し(Qf=375000GHz)、LiのMg置換によるMgOの酸素欠損の改善が寄与しているものと考えられる。
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©  日本セラミックス協会 2012
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