抄録
ペロブスカイト型酸窒化物LaTiO2Nは、無毒な元素のみを用いた無機顔料として注目されている。酸窒化物は価電子帯のO2p軌道の上にN2p軌道が位置しているため、LaTiO2Nでは窒素含有量を増加させることで光学バンドギャップが可視光領域で減少し、青色から橙色までの色調を制御することが可能である。しかし、色の三原色である赤色試料の合成にはまだ成功していない。そこで、Ti4+をTa5+と置換することで電荷補償のためより窒素量の多い試料の合成が可能であると考えた。さらに、La3+の一部をよりイオン半径の大きいBa2+で置換することで、結晶系が単斜晶や斜方晶から立方晶に近づくことが予想される。これによりBサイトカチオン‐アニオン‐Bサイトカチオンの結合角が180°に近づき、Bサイトカチオンとアニオン原子間の共有結合性が増加することでバンドギャップが収縮すると考えられる。そこでBaドープ量を変化させた(La,Ba)Ta(O,N)3の合成を行った。またFlux法を用い、Fluxが組成および粒子径に及ぼす影響も調査した。