抄録
本研究では、還元加熱-酸化冷却の焼成プロセスを用いることでPTCR 半導体の低抵抗化を試みた。水熱合成BaTiO3粉末(平均粒子径0.3 μm)に,Gd(NO3)3・5H2Oを2mol% ,Mn(NO3)2を0~0.07mol%,(C2H5O)4Siを1mol%添加し,湿式混合,乾燥後,一軸加圧成形体を0.1%H2-Ar中または空気中で 1350 ℃および1380℃まで加熱し、2 h保持した後に、空気中で冷却を行った。0.1%H2-Ar 中加熱試料は空気中加熱試料に比べて低抵抗となった。また0.1%H2-Ar 中加熱試料は、Mn 添加量が増加しても室温比抵抗がほとんど増加せず、低抵抗が維持された。PTCR ジャンプの桁数は、すべての試料においてMn 添加量の増加に伴い増大した。