抄録
Liイオン伝導固体電解質は、全固体電池や金属空気電池への適用が期待されている。我々は、比較的ガラス化しやすいSiO2-ZrO2-P2O5-Na2O系ガラスを前駆体として予め作製し、LiNO3溶融塩においてイオン交換することで高イオン伝導性ガラスを得ることを試みた。イオン交換前後のイオン伝導度測定の結果、イオン交換前のNa系リン酸塩系ガラスのイオン伝導度は、3.0×10-9から3.4×10-8S/cmであったが、イオン交換後のLi系リン酸塩系ガラスのイオン伝導度は3.4×10-7から5.5×10-5S/cmであることが分かった。イオン交換により1~4桁イオン伝導性の向上が認められた。これはLiイオンのイオン半径がNaと比較して小さいことに起因すると考えている。