抄録
<背景>本研究では層状ペロブスカイト酸化物にEr3+,Yb3+をドープし、ドーパント濃度及び層間物質による発光特性の変化を観察した。また、層状構造から無機層を剥離することによりアップコンバージョンナノシートの合成に挑戦した。<結果と考察> La2-(x+y)ErxYbyTi3O10・La1-(x+y)ErxYbyNb2O7の両方の系で励起光980nmにおけるアップコンバージョン発光強度を比べるとLa1-(x+y)ErxYbyNb2O7系の方が強い発光を示した。また、K体とH体を比べると発光効率は平均して半分程度に減少することが分かった。Fig1は作製したDion-Jacobson相の層状ペロブスカイトLa1-(x+y)ErxYbyNb2O7の結晶構造の模式図である。また、Fig2.は作製したLa1-(x+y)ErxYbyNb2O7ナノシートのAFM画像とアップコンバージョン発光スペクトルである。Er3+による525nm(2H11/2→4I15/2), 553nm(4S3/2→4I15/2), 653nm(4F9/2→4I15/2),の発光ピークが確認できた。