抄録
我々は、微小な力学的エネルギーにより発光が励起される新規な発光材料であるー応力発光材料を開発し、計測技術への展開を図っている。今まで、代表的な応力発光材料SrAl2O4 : Eu2+ をエポキシ樹脂に均一分散させ、フィルムセンサの作成に成功した。このセンサを計測対象物に接着して発光を調べれば、その面分布から構造体の動的な応力分布が可視化され、表面はもとより内部に存在する構造欠陥、亀裂、破壊の現状や進行方向を瞬時に把握することができる。しかし、使用されたエポキシ樹脂の脆性により、数パーセントの歪みまでしが計測できなかった。本研究では、ゴムの柔軟性を活かし、マトリックス材料として導入することにより、13%を超える歪みまでの測定できた。