抄録
生体組織を可視化するためのバイオイメージング技術は、バイオテクノロジーや医療分野における予防・診断において重要である。今後、ナノメディスンとして超早期診断を実現するためには、生体組織に低侵襲な光機能性材料の創製が必要である。本研究では、可視光励起により発光するナノ粒子の創製を目的とし、ユウロピウム(III) (Eu3+) をドープした多孔質シリカナノ粒子を合成し、その発光特性と細胞可視化特性を検討した。その結果、Eu3+がシリカ骨格へドープされた多孔質シリカナノ粒子を創製でき、可視光領域の励起光により赤色発光を示すことがわかった。さらに、葉酸分子の粒子表面修飾によって、ガン細胞を特異的にイメージングできることを見出した。