抄録
ガドリニウム固溶セリアの緻密化を熱膨張計測法と陽電子消滅法によって調べた。Master Sintering Curveから見積もった焼結の活性化エネルギーはおよそ400kJ/molであり、この値はJudらの報告(454 kJ/mol)と近いことから、緻密化には粒界や体積拡散が大きく関与していると推察される。一方、陽電子寿命の時間依存性データから見積もった活性化エネルギーは73kJ/molとMSC解析結果の1/6程度となった。陽電子は酸素空孔とガドリニウムイオンからなる欠陥クラスターにトラップされやすいため、酸素イオンの拡散を間接的に捉えていると考えられる。