抄録
本研究ではナノ秒パルス電源を用いてエレクトレットや強誘電体セラミックスの帯電実験を行った。使用したナノ秒パルス電源はパルス幅が約100(ns)で出力電圧が20-25(kV)である。帯電を行った材料はエレクトレット材料として用いられるPTFEと強誘電体セラミックスのチタン酸バリウムである。それぞれの材料を加熱(PTFE;300 ℃、BaTiO3;140 ℃)した状態でコロナ放電による帯電を試みた。その結果、PTFEは表面電位が-1600(V)以上に帯電し、DC電源を用いた場合と比較して2倍程度帯電させることができた。また、チタン酸バリウムについてもナノ秒パルス電源による帯電ではDC電源を用いた場合に比べて高い表面電位が得られた。