抄録
近年、CuInSe2薄膜太陽電池の代替材料として、有毒元素を含まず資源的に有利であるCu2ZnSnS4が注目されている。しかしながら、従来の方法では均質なCu2ZnSnS4薄膜を作製することは困難であると考えられている。そこで、本研究では融液を冷却チルに叩きつけることで急冷凝固するスプラット凝固と、熱対流がなく、物質の沈降・浮游がなく均質な状態を維持できる微小重力環境を組み合わせた微小重力スプラット凝固を用いて均質Cu2ZnSnS4を作製した。均質バルクをターゲットとしてレーザーアブレーション法で薄膜を作製することで、ターゲットとの組成ずれが少ない均質なCu2ZnSnS4を作製した。