抄録
イオン導電率の測定において、圧力一定での導電率の温度変化より伝導の活性化エネルギーが、また温度一定での圧力変化より活性化体積がそれぞれ求められる。活性化体積はイオンがホッピングにより伝導する際の構造緩和の指標となる。しかしながら固体電解質では、活性化体積の測定に数GPaオーダーの加圧が求められ、アンビルセルなどを用いた超高圧装置が必要なことから、先駆的にAllenやSamara、IngramがV評価の重要性を指摘しているものの、温度を変化することで得られる活性化エネルギーに比べて、活性化体積評価はほとんど行われていないのが現状である。本研究では導電性を有する球形圧子を用いて、圧子圧入時にインピーダンス測定を行うことで導電率の圧力変化を測定し、活性化体積を算出・評価することを目的とした。