抄録
AD法では、常温で数十ナノメートル以下の微結晶構造からなる緻密なセラミックス薄膜、厚膜を形成でき、優れた電気特性が得られることが確認されている。これは「常温衝撃固化現象(Room Temperature Impact Consolidation: RTIC)」と呼ばれ、成膜プロセスとしてみると、溶射技術のように原料粒子を溶融あるいは半溶融状態にして吹き付け粒子間の結合を得るものとは原理的に異なる。本講演では、AD法について、経済産業省が平成14年度よりナノテクノロジープログラムの一環として5年間実施した大型国家プロジェクトでの取り組みを中心に、圧電、誘電体セラミックスをはじめとする電子材料での応用展開や耐蝕・耐摩耗などの構造材料への応用展開、また、最近の研究成果として、エネルギーデバイスへの応用展開などと、それに基づく技術課題について紹介する。さらに、これらの原理に分類される他の成膜手法との類似性や相違について触れ、成膜メカニズムの理解に求められる課題についても言及する。