抄録
強誘電体・強磁性体複合材料における電気磁気効果(ME効果)の実現を目指し、(Bi,Pr)(Fe,Mn)O3(BPFM)/SrRuO3(SRO)-Pt/CoFe2O4(CFO)積層膜構造の作製とME効果に関する検証を行った。積層膜構造のBPFMは良好なP-Eヒステリシス特性を示した。印加磁界の増減に伴い、2Pr値はほぼ線形に変化し、ゼロ磁界時の値に対して最大で3%の増加が確認された。また、比較としてCFOを導入せずにSrTiO3基板上に作製したBPFM/SRO積層膜に対して同様の測定を行ったところ、静磁界印加に対する強誘電特性の明確な変化は観測されなかった。印加磁界による2Prの変化に対応した電界変化を見積もり、ME係数を算出したところ、約1.5V/(cm-Oe)が得られた。