抄録
我々は遷移金属酸化物BaTiO3に関して低温還元法を適用することにより新規オキシハイドライドBaTiO3-xHxを得たが、このオキシハイドライドの普遍性に関して調べるため、(Ca, Sr, Ba)TiO3に関して同様の操作を試みた。得られたオキシハイドライドはそれぞれ0.1から0.3程度の酸素欠損を有しており、その欠損サイトに水素化物イオンが取り込まれていることを放射光X線回折、中性子線回折、TG-MS測定などから明らかにし、それらの組成を(Ca, Sr, Ba)TiO3-xHxと結論付けた。これらに関して、八面体の傾き、水素化物イオンのアニオンサイト分布、水素放出温度などに関して調べた。