薄型表示パネル(FPD)使用製品の急速な普及に伴い、廃FPDの急増が予想される。しかし、FPDガラスのリサイクル技術は、組成や物性が一般的なガラスとは大きく異なるため、未だ確立されていない。当該ガラスの有効利用を目的として、これを主原料としたガラスセラミックスを作製し、特性を評価した。市販のFPD用ガラスを粉砕してCaCO3と調合し、各温度で焼成した。主結晶としてワラストナイトが生成した。緻密な焼成体の比誘電率εrは、100MHz及び1GHzで5.9及び6.0であった。高品位な廃FPDガラスを主原料として、高周波特性に優れた低誘電率ガラスセラミックス材料を作製できることが示された。