抄録
複合無機化学的手法を用いて新規賦活チオアルミネート蛍光体(Ba1-XSrX)4Al2S7:Eu固溶系の合成を行なった。X=0.4の試料について長時間アニーリングを行なうことで結晶を育成し,結晶構造の解析を試みた。その結果、この物質が(Ba0.625Sr0.375)4Al2S7:Euの組成を有する単斜晶系(P 1 21/c 1)の結晶で,a=12.2238Å,b=7.0697Å,c=17.8283Å, β=117.1890の格子定数を有することが明らかとなった。蛍光特性について調べた結果、(Ba0.6Sr0.4)4Al2S7:EuはFig. 1に示すように300nmから550 nmの広い範囲で励起され590nm付近に最大発光波長を有する赤みを帯びた黄色発光を示す蛍光体であることが確認された。