抄録
ZnOは,直接遷移型ワイドギャップ半導体であり,結晶中の酸素欠陥により緑色発光を示す蛍光体として知られている.また,ZnO中に絶縁体であるMgOを固溶させることでワイドギャップ化が可能であり,発光の短波長化,そして青緑・青色蛍光体としての応用が期待されている.Zn1-xMgxOの作製法には様々あるが、固相法ではMgを約4%までしか固溶させることができず,多く固溶させようとするとMgOが析出してしまう.そこで本研究では,水熱合成法により前駆体として有機酸塩を作製し,熱分解によりZn1-xMgxOナノ結晶を作製した.そして,結晶構造,吸収及び発光特性を評価したので報告する.