抄録
光触媒は水から水素と酸素を発生させることが可能であるため,環境調和型材料として注目されている。本研究ではガラス材料を化学エッチングして得られる多孔質ガラスに注目し,その特徴である比表面積の大きさを利用した高活性光触媒の作製を目指した。我々は光触媒としての報告があるSrNb2O6及びBaNb2O6に注目し,これらの混晶物質であるSr0.5Ba0.5Nb2O6(SBN50)が析出した結晶化ガラスの作製に成功した。また,エッチングを施した結晶化ガラスからは光触媒能を確認している。しかしながら,試料の表面付近のみがエッチングされており,多孔質ガラスとは言い難い。そのため,組成や熱処理条件,エッチング条件の最適化が重要となる。本発表では組成によるガラス構造の変化と化学的耐久性との相関を調査したので報告する。