抄録
これまで、多孔質生体材料への細胞侵入性の評価法は存在しなかった。しかし、細胞侵入性は生体内で多孔質材料内で組織が再生するのに欠かせない機能である。そこで、我々は、生体内で細胞が侵入する時の状態を模倣すべく、細胞の遊走による多孔質バイオセラミックスへの細胞侵入性を評価する手法を考案した。すなわち、コンフルエントにした細胞層の上に材料を静置し、三日あるいは七日間培養した後、材料を取り出し、2_%_グルタールアルデヒドで固定後半割してギムザ染色により細胞を染色し、光学顕微鏡下で細胞の侵入高さを計測する手法である。今回は、それを国際標準化するため、手法の妥当性や問題点を抽出するため、市販品4種、研究品2種の計6種の多孔質バイオセラミックスを用いて、国内ラウンドロビンテストを行った。その結果、培養期間や細胞種に差違があっても、各試料毎の細胞侵入性の傾向は一致しており、部分的改良を加えることで充分に応用可能な手法であることが明らかとなった。(本研究の一部は経済産業省のプロジェクトによる)