抄録
創外固定とは、骨折部周囲の骨に創外固定用ピンを経皮的に挿入し、それを体外で支持する骨折固定法だが、挿入路からの高率な感染が問題となっている。我々は、線維芽細胞成長因子(FGF-2)とアパタイトの複合層を創外固定用ピン上に形成すると(Ap-FGFピン)、無垢の創外固定ピンでは感染率が94%に到る環境下でも感染率を44%に低減できた。その理由はシャーピー線維に類似の特異組織がAp-FGFピン周囲に誘導された事と考えられた。以上に基づき、我々はAp-FGFピンの臨床橋渡しを行い、GMP準拠の作製・品質管理プロトコールを作製した。それを含む準備を経て、第I/IIa相臨床研究が2011年の12月より開始される。