抄録
環境問題の観点から、現在の鉛系圧電材料よりも性能の高い新規非鉛系圧電材料の開発が急務となっている。その中でも代表的な非鉛系圧電材料であるチタン酸バリウム(BaTiO3、以下BT)においては、[110]方位への配向度を高くすることで圧電定数が向上することが報告されている。しかしながらBTのキュリー温度が130℃と低い問題点は未だ解決されていない。そこで本実験ではキュリー温度380℃、室温でBTと同じ正方晶系をとるチタン酸ビスマスカリウム((Bi0.5K0.5)TiO3、以下BKT)を用い、BT-BKT二成分系における配向セラミックスを作製し、そのキュリー温度測定及び圧電特性評価を行った。