抄録
近年、高性能かつ環境に優しい電子材料が求められており、圧電材料においては候補の1つとして、ニオブ酸カリウム (KN)-チタン酸バリウム (BT)系セラミックスが報告されている。KN-BT系セラミックスの圧電特性について、0.5KN-0.5BTにおいて誘電率と圧電定数が増加したのは、界面領域の影響と考えられている1)。以前、ソルボサーマル法を用いてBTを核にし、その周囲にKNをヘテロエピタキシャル成長させたセラミックスのキャラクタリゼーション及び圧電特性を報告したが2)、圧電特性の向上には積層するKNの厚さの制御やセラミックスの緻密化が必要である。本研究ではBTに積層するKNの膜厚を制御するために、異なるKN/BT比で合成を行い、生成物に対してキャラクタリゼーションを行うとともに、圧電特性を評価した。