抄録
MoSi2とSiの複合薄膜の抵抗率の温度依存性ついて解析を行うことを目的とし,複合薄膜をRFマグネトロンスパッタリング法により作製してきた.これまでの研究により,MoSi2にSiを添加して作製された複合薄膜の抵抗率は,Moに対するSiの割合が低い場合に高温領域で高い線形性を示すことが分かっている.本研究では複合薄膜の抵抗率を正方状四探針法により測定すると共に,Gruneisen-Blochのモデル式により抵抗率の温度依存性のパラメータ解析を行った.その結果,MoSi2とSiの組成比が1:1 ,1:2 ,またSi を添加しない時に,複合薄膜の抵抗率にはGruneisen-Blochの式が適用可能であり,金属的性質を有している事が示唆された.