抄録
我々は、ゲルキャスティング法により作製した成形体を還元焼成することにより、良好な導電性を持つセラミックスの開発に成功している。この開発した導電性セラミックスを工業的に広く利用する為には、量産性の向上が必要となる。以前から、懸濁重合法で作製した顆粒を加圧成形することによって導電性セラミックスの製造を行ってきたが、顆粒に熱がうまく伝わらず、重合が不完全な状態であったため、あまり高い導電率を得ることはできなかった。今回の研究では、重合の際に界面活性剤を導入することで、反応の際の顆粒の粒子径をコントロールし、顆粒への熱の伝わりを制御することで高い導電率を得ることを試みた。作製した顆粒の成形性及び、加圧成形時の圧力の違いによる導電率の変化、さらに得られた導電性セラミックス中のカーボンの構造について評価、検討を行った。