日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2012年年会講演予稿集
セッションID: 3B09S
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Bi1-xLaxNiO3 におけるサイト間電荷移動誘起巨大負の熱膨張
*東 正樹岡 研吾陳 威廷関 隼人チャプスキー ミハエル島川 祐一石渡 晋太郎アットフィールド ポール
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抄録
ビスマスという元素は、3価と5価の電荷の自由度、という特徴を持つ。この特徴を用い、巨大な負の熱膨張をもつペロブスカイト化合物を実現した。BiNiO3はBi3+0.5Bi5+0.5Ni2+O3の酸化状態を持つ絶縁体のペロブスカイト化合物である。この物質では3.5GPaの加圧によってBi5+とNi2+の間で電荷移動が起こり、金属相のBi3+Ni3+O3へと転移する。この際Ni2+からNi3+への価数変化に伴って体積収縮が起こる。Biを一部Laで置換すると転移温度(圧力)が低下し、Bi0.95La0.05NiO3においては常圧での温度変化で絶縁体−金属転移と体積の収縮が起こる。この際、低温相と高温相が互いに分率を変化させながら共存するため、平均の体積は室温から400Kに渡ってなだらかに減少する。歪み測定を行ったところ、-82×10-6/Kという負の熱膨張係数を観測することが出来た。
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©  日本セラミックス協会 2012
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