抄録
アニールする条件や化学組成を変えることで、アモルファス薄膜から粒径を制御したナノ結晶が析出する。本研究では、(SiO2)x/(α-Fe2O3)1-x複合ターゲットを高周波スパッタリングして作製したFe-Si-Oアモルファス薄膜をアニールし、SiO2 マトリックスに粒径を制御した酸化鉄ナノ結晶を析出させた。ε-Fe2O3は900℃で30分間から3時間アニールすることで得られ、結晶子径は約20 nmであった。3時間以上アニールすることで、結晶子径が30 nmであるα-Fe2O3が析出した。室温の磁化測定では、アズデポ膜は常磁性の磁場応答を示した。アニールすると強磁性体ε-Fe2O3の生成によるヒステリシスが見られた。ε-Fe2O3/SiO2グラニュラー薄膜は0.334 Tの磁場下で強磁性共鳴を示した。