抄録
昨今、持続可能なエネルギー社会の実現を目指し、可視光応答型の水分解光触媒の開発が進められている。Cu+イオンを含む酸化物は、Cu3d軌道の価電子帯形成への寄与によりバンドギャップの狭窄が期待されるため、その光触媒特性についての調査は興味深い。本研究では、Cu3xLa1-xTa7O19固溶体を合成し、その光触媒特性について評価した。合成した固溶体は、x=0のものを除いて、可視光領域を吸収することが確認された。さらに、犠牲試薬存在下での水素および酸素生成の両方の反応に対して、可視光照射下で活性を示した。以上のように、Cu3xLa1-xTa7O19固溶体が、新規可視光応答型光触媒であることを見出した。