抄録
リチウムイオン電池は、電解質に可燃性の有機溶媒を用いていることから安全性に問題がある。この問題を解決するため、固体電解質の適用が盛んに研究されている。立方晶ガーネット構造を有するLi7La3Zr2O12 (LLZ)は室温で10-4 S cm-1を上回るリチウムイオン伝導性を有し、リチウム金属に対して安定である。したがって、LLZを用いることでリチウム金属負極を用いた高容量の全固体電池を実現可能である。全固体電池の作製にあたり、LLZに適した正極材料の検討も必要である。本研究は、LLZに対する各種正極材料の適用性を明らかにすることを目的とした。また、得られた知見に基づき全固体電池を試作・評価した。