抄録
近年,電子デバイスの小型化・高性能化の要請により,ナノ構造を有する強誘電体が広く利用されるようになってきた.従来からペロブスカイト型強誘電体においては,誘電・圧電特性が試料のサイズによって変化する,いわゆる,サイズ効果が存在するといわれており,その現象解明が重要となっている.筆者らは,代表的なペロブスカイト型強誘電体であるチタン酸バリウムの微粒子・セラミックスが示すサイズ効果に関して,試料作製や独自開発した手法による評価・解析を通して,その機構を明らかにしてきた.本講演では,それらの研究について紹介するとともに,サイズ効果の研究に関する今後の展望について発表する予定である.