抄録
種々のグレインサイズを有するチタン酸バリウム系セラミックスを作製し,その誘電特性におけるサイズ効果について検討した.エアロゾルデポジション法を用いて,ナノ粒子チタン酸バリウム系セラミックスの自立膜を作製した.二段階焼結法を用いて,サブマイクロ以上の粒径の試料を作製した.いずれの組成系でも,ナノ領域では粒径の減少に従い誘電率が減少することがわかった.また,Ba(Zr,Ti)O3セラミックスのナノ領域における誘電率はBaTiO3セラミックスや(Ba,Ca)TiO3セラミックスよりも低いことがわかった.これらの原因を粒界応力の影響と考え検討を行った.