抄録
バルクセラミックスの多くは顆粒をプレス成形して焼結して得られる。加圧成形法では、金型内での均一な粉の充填のために流動性のよい顆粒を用いている。作製された成形体および焼結体では、顆粒の形状由来の粗大欠陥が残存することが多い。
原料粒子に0.1μmの高純度アルミナを用いて調製された顆粒を用いると、透光性を示す高密度で高性能なアルミナセラミックスが得られる。透光性アルミナでは、粗大欠陥の位置や数の観察が容易にできるはずである。さらに、高密度後も残存する種々の欠陥の詳細についても調べることが可能となる。そこで本研究では、透光性アルミナセラミックスを作製して、内部に残存する欠陥を検討すること、およびそれらと強度との関係を明らかにすることを目的とした。