抄録
本研究では,液液二相系を利用した液相合成法を用いることで,嵩高い有機酸を含む層状イットリウム水酸化物を1段階で合成することを目的とする。この方法では,溶質が別々の相に分離されており,分配比に従い界面を通して物質が常に供給されるので,従来の方法とは異なり1段階での合成が可能な上,単一溶媒中の場合とは異なる組成や形態を持つことが期待される。今回は,層間にインターカレートする有機酸に安息香酸,セバシン酸,ラウリン酸をそれぞれ用いた層状イットリウム水酸化物の合成を試みたところ,生成物の組成と形態が有機酸の初期濃度に依存することが分かった。さらにユウロピウムをドープすると赤色発光を示す蛍光体として機能することも分かった。