抄録
Geは、バルクの状態では間接遷移型のバンドギャップ構造であることから、室温で効率の良い発光は望めない。一方で、ナノ粒子化すると可視域で高輝度発光することが知られる。Geへの興味は、Siに比べて(1)大きなバルクの励起子ボーア半径、と(2)小さなバルクバンドギャップ、にある。ところが、粒子サイズと発光波長の相関が明瞭でなく、また、発光強度の増強や発光波長の単色性向上は未達成のままである。本研究では、Geの発光層としての材料化を進めるために、これまで未達成の懸案について丁寧に調べてきた。そのなかで従来とは違う発想をもとに、異なるサイズ分布をもつナノ粒子サンプルを調製し、蛍光発光特性の相関を調べることで、サイズー発光色の相関、新しい発光色の発見、など、材料化へ向けて好適な特性を明らかにしてきたので報告する。