抄録
メソポーラスシリカは理想的な触媒担体として、有機合成や生物医薬などの領域で利用されている。本研究では、階層的多孔構造高気孔率シリカモノリスへの銀ナノ粒子の導入を試みた。アルデヒド還元法の場合は、銀ナノ粒子がモノリスの外周部に集中して析出し、均一な分布は得られなかった。一方、加熱分解法の場合は、AgNO3 溶液濃度と処理時間の適切な組合せにより、銀ナノ粒子が均一に分布した多孔体が得られた。エタノールは直接還元反応に関与しないが、過飽和度を上げることによって、AgNO3の析出とAgへの還元反応を促進していると考えられる。遮光処理の有無を比べると、遮光しない場合の方がより小さい銀ナノ粒子が得られることが分かった。