抄録
大気汚染物質を分解・除去する機能を有する光触媒塗膜では、大気汚染物質と光触媒を効率的に反応させるために多孔質な膜構造としており、隙間量(以下、「空隙率」と記載)が分解活性を決定するパラメータになると考える。本研究では、光触媒塗膜の空隙率測定の新たな分析方法として光干渉法に着目し、NOx分解活性能力(以下、「光触媒活性」と記載)が異なる複数の光触媒塗膜の空隙率を反射分光膜厚計で測定し、空隙率と光触媒活性との相関性を調査することを目的とした。ガラス基板、空気、チタニア、シリカの光学定数(屈折率、消衰係数)から求めた計算スペクトルと実測スペクトルをフィッティングさせることにより、空隙率を求めることができた。その結果をもとに、空隙率と光触媒活性の相関性を調査したところ、両者で高い相関性を示した。