抄録
メソポーラスシリカナノ粒子(MSN)は規則的に配列したメソ孔を持つ多孔性材料であり様々な応用が期待されている。特にドラッグデリバリーシステムのキャリアや低誘電率材料・低屈折率材料のフィラーとして利用する場合、MSNの高空隙率化は重要な課題であり、そのためには粒子の中空化が有効である。本研究では鋳型として酸化鉄ナノ粒子を用いた新しい中空MSNの合成プロセスについて検討した。酸化鉄ナノ粒子の表面にシリカ-界面活性剤メソ複合体のシェルを形成させコアシェルのナノ粒子を得た後、シリカ表面のトリメチルシリル化と界面活性剤、酸化鉄の同時除去を行い、生成物を得た。これをXRD、FT-IR、SEMを用いて評価し、中空MSNが得られたことを確認した。