抄録
Yb3+添加In2O3薄膜をパルスレーザー蒸着法により、異なる酸素分圧下(10~40mTorr)で作製し、温度を変えて(300-1000℃)熱処理を行った。全ての試料は、可視・近赤外域で高い透過性を示した。反射スペクトルの示す干渉ピーク波長から、膜厚と屈折率の波長依存性を調べた。反射率、透過率、膜厚の値からバンドギャップを算出した。X線回折測定より、成膜直後の試料はアモルファス状態であるが、熱処理を行うことでIn2O3と同形の結晶構造へ変化することが明らかとなった。370nm励起発光スペクトル測定より、熱処理を行った試料においてYb3+の発光が確認された。以上の結果より、ホストに吸収された紫外光が、Yb3+を介して近赤外光へ変換されたと考えられる。