抄録
極微量の酸素を含む窒素雰囲気中において純チタンを熱処理することにより、大気中処理に比べて、アパタイト形成能が著しく向上することを報告したが、その機構については不明のままである。そこで本研究では、低酸素分圧の窒素雰囲気中で熱処理した純チタンの表面解析を行い、アパタイト形成能向上機構を検討した。その結果、熱処理後に生成したチタニアの結晶格子間に窒素が侵入しており、電気的中性条件を満たすために形成された酸素空孔が表面近傍に濃化し、表面が正に帯電していることがわかった。熱処理した純チタンを擬似体液中に浸漬すると、帯電した表面にリン酸イオン(負)が優先的に吸着し、その後、Caイオン(正)が引き寄せられアパタイトが生成したものと推察される。