抄録
ポリメタクリレート(PMMA)系骨セメントは、人工関節の固定に用いられる生体材料として知られている。しかしPMMA系セメントは、骨と結合する性質は発現しない。本研究では体液との反応性の高いα-リン酸三カルシウム(α-TCP)を用いた場合に、体液中でアパタイト形成を発現するための合成条件を調べた。その結果、表面研磨し、α-TCPを露出させた試料では、15 vol%以上α-TCPを含有させなければHApは析出しなかった。一方で、表面研磨しない試料は5 vol%でHApが析出した。この違いは材料表面におけるα-TCPの平均粒子間隔に寄与すると考えられる。つまり、少ない添加量の生体活性フィラーで複合体表面を研磨することなく、骨と結合する材料が得られることを示している。